2021/6/5(土) 09:0012:00Googleカレンダー登録
申込締切

【東京大学インクルーシブ教育定例研究会】コロナ禍の学びに見られる<こころ>と<からだ>

子どもを理解するために何が大切か
申し込みは終了しました
コロナ禍の子どもたちは、いま、学校の中でどうしているのでしょうか。

今回、講師としてお招きをする頓所本一先生が勤めているのは、長野県下高井郡木島平村木島平中学校です。木島平村は、人口5千人の静かな、そして美しい農村です。その木島平村の子どもたちも、コロナに苦しめられています。頓所先生は、「子どものからだに今、何が起こっているのか。私の授業でも遠くを見ている子どもの目が気になります。また、廊下ですれ違う生徒がわたしの存在に気づいていながらも背を向けるからだが気になっています」と、子どもたちが上げている無言の悲鳴に耳を傾け、そこからいかなる新たな学びを紡ぎ出すか、さらには一人で立ち向かうのではなく同僚の教師たちと何ができるのか、日々試行錯誤されています。

頓所先生は、コロナによる子どもたちのこころとからだの危機は、今に始まったことではないと言います。背後には、社会の格差があり、さらにその社会の格差が教育の格差を助長している。そしてその延長線上に、コロナによる危機が到来したのだと。

232145

頓所先生は子どもをよく見つめるところから始めています。頓所先生の文章をここで引用してみます。

(ここから引用)
教師である〈わたし〉のからだが
、 子どもの内側へと向き合い直す。その「直し」続ける 営み でし
か、その子の心の葛藤へ、その子の心の襞へと歩み寄ることはできないので す 。
「この子は
、 こういう子だから仕方ないんだよ…」と結論付けた瞬間、その子の本心はみえなくな
ってしま います 。
「あの子は今、何とたたかっているのだろう?」
「あの子を笑顔にするにはどうしたらいいんだろう?」
その子が、今、葛藤している情動に問いを立て続ける
こと、問いを立て直し続けること

この問い「直し」の連続性のなかで教師は子どもの心に
棲みつくことができるので
す 。
子どもも直に葛藤している。教師もその葛藤を直に感受し
、 問いを立て直し続けていく。
その問いの立て直しの連続性のなかで、子どもの心のなかに〈あなた〉が棲みつくので
す 。
子どもが「わたしは独りではない…」と思えるので
す 。(ここまで引用)

教師がこのように子どもの世界に寄り添おうとする中で、頓所先生の授業では、子ども同士が、互いの心に寄り添おうとする学びが拡がっていきます。学びを通して「わたしは独りではない」と実感できるなかに、子どもたちが希望を取り戻す手掛かりがあると考えて頓所先生は日々奮闘されています。


232149

当日は、頓所先生から、子どもたちの学びにいま何が起きているのか、彼らの<こころ>と<からだ>に寄り添った時、学校に改めて求められていることは何なのか、お話をうかがいたいと思います。

頓所先生のお話から、多様な差異を包摂する学びとはどのようなものなのか、なぜそのような学びが子どもたちにとって希望となり得るのかについて、具体的にお話をうかがいたいと思います。

インクルーシブな学びの可能性に関心を持つ市民、保護者の皆様、そして、子どもをどう理解すれば良いのかを日々悩み考えている教師の皆様のご参加をお待ちしています。


 
会場
オンライン開催、お申し込みいただいた方に接続のURLをお知らせします。
ホームページ
https://www.p.u-tokyo.ac.jp/cbfe/
住所
アクセス

講演者紹介

頓所本一

長野県下高井郡木島平中学校、国語科教諭。国語教育のなかで、ひとりひとりの読みの背後に、読み手の人生を浮かび上がらせ、読みの違いを通して、生徒たち一人一人が一人の人間として出会い直していく授業を展開されてきました。その授業論は、すでに明治図書から『学びの光源』として公刊され、国語教育のみならず、多くの教師たちに刺戟を与えてきました。同書は、学校の授業の可能性について改めて考えてみたい方にぜひお薦めしたい一冊です。https://qr.paps.jp/pBlsI

また、学びの共同体スーパバイザー、東京大学教育学部非常勤講師(国語科教育法)としてもご活躍です。

タイムテーブル

時間 内容
09:00 ご講演
10:30 10分間の休憩後、参加者とのディスカッション
12:00 閉会予定

配慮事項について

配慮事項については、5月31日までに申し込みフォーム内でご相談ください。

注意事項

録音・録画などはご遠慮ください。

その他

ビデオはオフにしてご参加いただけます。
申し込みは終了しました