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「定員内不合格を出させない」ために、大阪の運動の歴史と現在と課題 ~「空いているから入れてあげる」ではなく、「0点でも胸を張って入学できる」希望者全員入学制度を~

東京大学・インクルーシブ教育定例研究会、オンライン、無料
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3000人募集

 高校進学率が95%を越え、事実上高校全入が実現しているともいえる状況の中、なぜ、「障害児」だけが高校進学で困難を余儀なくされているのでしょうか。特に、入学試験で一定の点数をとることが要求される「適格者主義」の下で、知的障害の子どもたちが困難を強いられてきました。友達と一緒に高校に進学したいという、人間としてごく当たり前の願いに対して、私たちは何ができるのでしょうか。制度の改革を働きかけると同時に、直近でできることは何なのかを今回、考えてみたいと思います。

 今回ご登壇いただくのは、この問題に長年取り組んできた、「知的障害者を普通高校へ北河内連絡会」の皆さん(以下、北河内連絡会)です。大阪は、早くから地域の通常学校・通常学級で、すべての子どもが「共に学び共に育つ」運動に取り組んできました。しかし、やはり知的障害者にとって高校進学は大きな壁です。北河内連絡会のホームページには次のように書かれています。

 「私たちは
「ともに学び、ともに生きる」教育、学校、社会をめざして取り組んでいます。
(ほぼ)毎月「定例会」を開いて、身近な出来事や問題・課題について話し合い、情報を交換しています。年に2回“「障害」のある子どもの高校進学を考える学習会”を開きます。現役の高校生や、保護者、障害当事者が講演したり、大阪府教育委員会を招いて、高校受験の説明を聞いたりします。
 高校に出向いて、教員のみなさんと話し合ったり、教育委員会と話し合うこともあります。大阪府との交渉にも参加します。
 
顔を合わせて声に出せば、何かがはじまります。みんなで知恵を出し合い、工夫が生まれ、行動につながります。一人はやっぱりしんどい。二人いれば、グチを言いあうことができる。三人集まれば行動が生まれる。今まで取り組んできて感じる実感です。
 だから、みなさん来てください!いっしょに話しましょう!!と、いつも呼びかけています。」
北河内連絡会ホームページより

 興味深いのは、高校進学を実現するための「闘争」ではなく、障害当事者・保護者・教師、さらには府教委を含めての「学習」と「対話」を継続的に深めることを重視している点です。学びと対話を通して新たな仲間をつくり、さらに、ひとりひとりの気づきと成長を促すことが目指されています。

 当日は、高校進学を果たした当事者・保護者の方にもご参加いただき、取り組みの経緯についてお話をいただくとともに、学びという観点から就学運動をどう進めていけばよいのかについて、お話をいただく予定です。

 定員内不合格問題に関心がある方のみならず、子どもの教育における権利を根本から理解しなおしたいと考えている保護者、教育関係者、さらには市民の皆様にぜひご視聴いただきたい企画となっています。

 お申込みいただいた方には、後日録画をお送りしますので、当日ご都合がつかない方も安心してお申し込みいただけます。

 周りにご関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひシェアしていただけましたら幸いです。

 皆様のご参加をお待ちしています。

東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター

 




 
会場
zoomウェビナー・オンライン、無料
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アクセス

講演者紹介

新みすず・万智子(写真は妹を差し置いて主役顔の万智子さん)

▼みすず
1953年1月生まれ
大学を卒業後、講師を経て小学校に勤務
1985年娘が誕生機に退職

▼万智子
2001年 自宅から徒歩10分の長尾高校へ、小中共に過ごした友だちと一緒に通うことをめざす。
クラスメートが書いてくれた「マッちゃんもいっしょに高校への嘆願書」を長尾高校へ渡して、受験したが不合格。
2次募集の定時制高校受験 定員内不合格。
以降10年間長尾高校を受験し続けるが不合格。3度の定員内不合格を経験する。
その間に2006年から自立支援コース、共生推進教室が制度化されるが、「過年度生」の受験資格は認められなかった。
2010年長尾高校10回目の受験をするが不合格。
2次募集の大手前高校定時制を受験して合格。
2014年卒業
府内で最後の「定員内不合格」生。運動の象徴的存在であった。

山内華奈子、寛

▼華奈子
大阪府出身、ずっと在住
大学卒業後、旅行会社に就職。
結婚を機に退社。 
友人に誘われ介護の道に迷い込み、
現在に至る。
介護支援専門員。

▼寛
中学2年生まで、ほとんどを支援学級で過ごす。
中学3年生の時、“知的障害者を普通高校へ北河内連絡会”に参加して「目からうろこが落ちた」と言われる。
それから全ての時間を通常学級で過ごす。
府教委へ「高校受験の宣言文」を手渡して、共生推進教室に願書を出すが、
受験日の朝、「どうしても納得が行かなくて」受験を取りやめる。
改めて急きょ工科高校を受験し合格。
高校での授業、テスト、進級をめぐって学校側と話し合いを続ける。
府教委も巻き込んだ話し合いの末に、授業のやり方、宿題の出し方、評価方法が変わり、みんなといっしょに卒業。

松森俊尚

今回、コーディネーター役として登壇。
1951年大阪市に生まれ。
1976年寝屋川市の小学校に勤務。
2012年3月退職。
現在 “知的障害者を普通高校へ北河内連絡会”、“学びをひろげるわたしと〇(まる)人の会”スタッフなど。
【著書】『もの申す――27人の子どもたちとおっさん先生のぶつかり合い 生きる力・総合学習の原点がここにある』(エイデル研究所 2001年)
『餓鬼者(がきもん)――共に学び、共に生きる子どもたち』(生活書院 2012年)
『けっこう面白い授業をつくるための本――状況をつくりだす子どもたち』(現代書館 2014年)
『街角の共育学~無関心でいない、あきらめない、他人まかせにしない』(現代書館、2020年)
他に、松下竜一主宰『草の根通信』に、「餓鬼者 がきもん」を連載(1997年1月号~2002年7月号)
『生活と自治』(生活クラブ事業連合生活協同組合連合会発行)に、教育コラム「魂のバトンリレー」を連載(2013年7月号~2015年6月号)など。

タイムテーブル

時間 内容
13:00 ご講演
14:30 10分休憩後、質疑
15:00 終了予定(30程度延長の可能性あり)

注意事項

・文字通訳による情報保障を行います。
そのほかの配慮が必要な場合、早めにご相談ください。

・当日、チャットで意見交流を行います。

・文字保障・チャット機能を十分にご利用になられたい方は、パソコンでのご参加をお勧めします。

・スマホやタブレットでは、文字保障を利用できなかったり、チャットの表示を消す機能が使用できないことがあります。ご容赦ください。

・ウェビナーで行いますので、カメラオフ、マイクオフでご参加いただけます。参加していることが他の方にわかることはありません。

・後半で質疑を行います。質問をお出しいただいたり、ご意見をご発言になる方については、お名前も含めて録画されます。その点、予めご了解のほど、お願いします。

・後日録画を配信します。ウェビナーの(切抜き)動画をSNSなどにアップすることはご遠慮ください。
申し込みは終了しました