ご存知のように、本年9月9日、国連・障害者権利委員会は、日本政府に対して、特別支援教育中止を勧告しました。https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/education/60890/
国連はいかなる国の教育をインクルーシブ教育の理想に近い教育形態として評価しているのでしょうか。ここで参考にしたいのは、イタリアのフルインクルーシブ教育です。
イタリアでは、1960年代末の社会運動の高まりを背景として、障害児を分離する教育に対する批判が高まり、70年代の法改正により小中学校の障害児学級の廃止とそれに伴う学級編成、教員配置などの改革が進められてきました。
今回は、本年10月に訳書『イタリアのフルインクルーシブ教育―障害児の学校を無くした教育の歴史・課題・理念―』(明石書店)を出版された大内進先生と大内紀彦先生に、イタリアのフルインクルーシブ教育の概要(大内進先生)、教育現場の仕組みや具体的な実践の様子(大内紀彦先生)についてお話をうかがいます。特に大内紀彦先生は現職の特別支援学校の先生でもいらっしゃり、日本の現場の状況を踏まえてお話をいただく予定です。
研究会後半では、講師の先生方と皆さんとのディスカッションを行います。
日本のインクルーシブ教育を進めるための貴重なヒントが得られる機会になると思われます。
ご関心のある皆様のご参加をお待ちしております。
なお、お申し込みの方を対象としてご講演部分の録画を後日共有させていただきます。
講師の先生の御著書については、以下をご覧ください。
http://www.amazon.co.jp/dp/4750354716
講演者紹介
大内進
星美学園短期大学日伊総合研究所客員研究員
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所名誉所員
1949年生まれ。筑波大学大学院教育研究科修了。東京都教諭、筑波大学附属盲学校(現視覚特別支援学校)教諭、国立特別支援教育総合研究所盲教育研究室室長、教育支援部長などを歴任
日本弱視教育研究会会長(2010-2016)。2014年、新宿区西早稲田に、インクル―ジョンの支援を目的に触覚教材や視覚障害関連資料を紹介する「手と目でみる教材ライブラリー」を開設。
専門は、視覚障害教育、イタリアのインクルーシブ教育等著書に『視覚障害のためのインクルーシブアート学習――基礎理論と教材開発』(編著、ジアーズ教育新社、2021年)、『視覚障害教育に携わる方のために5訂改版』(共著、慶應義塾大学出版会、2020年)、『特別支援教育コーディネーターの役割と連携の実際――教育のユニバーサルデザインを求めて』(編著、教育出版、2012年)、『ルイ・ブライユ(学習まんが人物館)』(監修、小学館、2016年)、『我が国における弱視教育の展開』(編著、あずさ書店、2013年)など
大内紀彦
特別支援学校教員
1976年生まれ。イタリア国立ヴェネツィア大学大学院修了。神奈川県特別支援学校教諭
専門は、特別支援教育、日伊文化交流史
訳書に『精神病院のない社会をめざして―バザーリア伝―』(共訳、岩波書店、2016年)、『バザーリア講演録 自由こそ治療だ!―イタリア精神保健ことはじめ―』(共訳、岩波書店、2017年)、『土地の記憶から読み解く早稲田―江戸・東京のなかの小宇宙―』(共訳、勉誠出版、2021年)、論文に「バザーリア講演録より『健康と労働』」(共同執筆、『福祉労働』第165号、現代書館、2019年)、「ラグーザ・玉の発見と日本への帰国―下位春吉家の人々との交流を通じて―」(『イタリア圖書』第48号、イタリア書房、2016年)など
注意事項
録画・録音などはご遠慮ください。お申し込みいただいた方を対象に、後日、ご講演部分の録画を共有します。
当日、カメラオフ、マイクオフでご参加いただけます。
匿名でのご参加をご希望の場合、適宜お名前をご変更いただけます。
その他
当日、文字通訳による情報保障を行います。その他の支援をご希望の場合、10月10日までにご相談ください。