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高校・定員内不合格は何が問題なのか―「誰でも普通高校へ」を正当化する法理

東京大学・インクルーシブ教育定例研究会、オンライン、無料
申し込みは終了しました
参加者3000人募集
<7月2日現在約1100人申込)

 小学校や中学校では、少しずつ障害当事者が普通学校・普通学級に就学する事例が知られてきましたが、依然として、高校進学には大きな壁があります。

 2023年度の文部科学省の調査では、全国の公立学校で、定員に受験者が満たないにもかかわらず、入試で不合格とされた生徒は全国に2004人います(定員内不合格)。定員内不合格を出していないのは、たった9都道府県のみです。

 今回は、定員内不合格の何が問題なのか、現在の法律の中で、どのように解釈すれば、高校教育におけるインクルージョンを進めることができるのかについて、北海道大学・明治学院大学教授をお勤めになり、長年子どもの権利問題について第一線で活動してこられた弁護士の中川明先生にお話をうかがいます。

 中川先生は、ご著書の中で憲法26条の教育を受ける権利について次のように述べられています。

「憲法二六条を理解する前に、わたしたち自身が教育のイメージをふくらますこと、豊かにとらえることが求められているのです。たとえば、わたしたちの心をワクワクさせることにどんなことがあるか、それは、どのような営みによって手にすることができるのかをイメージすることが必要です。
『生まれてから死ぬまで、人間ってものは、さめているかぎり、たえずなんらかの教育をうけてるわけだよ。そして、その教育の中でも第一番は、いわゆる人間関係ってやつだな。彼の心、感情を形成し、理想をあたえ、そしてある人生軌道に向かって旅立たせ、またそれをちゃんと守らせるのは、一にかかってその人間的環境さ』と述べたのはマーク・トウェインですが(中野好夫訳『人間とは何か』岩波文庫、七一頁)、彼がいみじくも指摘したように、人と人との出会いと交わりほど、わたしたちをワクワク、ドキドキさせるものはなく、これをつくる場が教育なのです。人との出会いと交わりが自由でなく、意に反してひとつの人間関係だけが強いられ、共にすごす機会か奪われるならば、心が踊るような思いをもつことはむつかしくなるでしょう。一方的に分けられることがないようにすることが大事なのはそのためです。
このように豊かにとらえられた教育を要求する者の必要に応えて、教育の場と機会を保障しようとしているのが日本国憲法二六条です。」(中川明『教育における子どもの人権救済の諸相』エイデル研究所

 教育における子どもの権利の問題を根本的に考え直そうとされてきた中川先生から、当日は、日本において、障害当事者の普通高校進学がなかなか進まないのはなぜなのか、そして現行法のなかでどのように子どもの教育を受ける権利を捉えれば、普通高校の定員内不合格をなくすことが可能になるのか、お話をうかがいます。

 定員内不合格問題に関心がある方のみならず、子どもの教育における権利を根本から理解しなおしたいと考えている保護者、教育関係者、さらには市民の皆様にぜひご視聴いただきたい企画となっています。

 お申込みいただいた方には、後日録画をお送りしますので、当日ご都合がつかない方も安心してお申し込みいただけます。

 周りにご関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひシェアしていただけましたら幸いです。

 皆様のご参加をお待ちしています。

東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター
 
 
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オンライン、zoomウェビナー
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アクセス

講演者紹介

中川明先生

1941年生まれ。京都大学法学部卒業、同大学院修士課程(法理学専攻)修了。  
1970年弁護士登録。1993-95年日本弁護士連合会子どもの権利委員会委員長。  
1997-2002年北海道大学法学部・同大学院法学研究科教授。
2004-2012年  明治学院大学大学院法務職研究科教授。  

著書『学校に市民社会の風をー子どもの人権と親の「教育の自由」を考える』 (筑摩書房、1991年)
  『寛容と人権-憲法の「現場」からの問い直し』(岩波書店、2013年)
      『教育における子供の人権救済の諸相』(エイデル研究所、2016年)   
  『教育と少年司法を結んだ先にあるもの-子どもへの「寛容」を求めて』(太郎次郎社エディタス、2024年)(近著)
  『宗教と子どもたち』(編著、明石書店、2001年)    
  『イジメと子どもの人権』(編著、信山社、2000年)    
  『体罰と子どもの人権』(編著、有斐閣、1986年)     
主な関与事件として、「麹町中・内申書裁判」、「自衛官合祀拒否訴訟」、 「日曜日授業参観訴訟」、「イジメ自殺『作文』開示訴訟」、「ピースリボン 裁判」「『もの言える自由』裁判」、「国籍確認訴訟」等がある。    
また、「長崎・障害児就学訴訟(和解成立)」、「宮崎・障害児行政不服審査 請求」、「岩倉就学訴訟(和解成立)」に携った他、「山崎恵訴訟(留萌市・ 特殊学級入級措置処分取消訴訟)」にも関わっている。

タイムテーブル

時間 内容
10:00 中川明先生ご講演開始
11:30 10分休憩後、質疑
12:00 終了予定(30分ほど延長の可能性あり)

注意事項

・文字通訳による情報保障を行います。
そのほかの配慮が必要な場合、早めにご相談ください。

・当日、チャットで意見交流を行います。

・文字保障・チャット機能を十分にご利用になられたい方は、パソコンでのご参加をお勧めします。

・スマホやタブレットでは、文字保障を利用できなかったり、チャットの表示を消す機能が使用できないことがあります。ご容赦ください。

・ウェビナーで行いますので、カメラオフ、マイクオフでご参加いただけます。参加していることが他の方にわかることはありません。

・後半で質疑を行います。質問をお出しいただいたり、ご意見をご発言になる方については、お名前も含めて録画されます。その点、予めご了解のほど、お願いします。
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