新型コロナの影響で、自宅で過ごす時間が多くなりました。写真がコミュニケーションのツールになった今、SNSにはたくさんの写真があふれています。私たちは瞬時に「良いね！」をし、短い時間でその内容を判断しているように思います。そんな中、「自分らしい伝え方」がより大切な時代になってきていると感じています。写真を撮ることは、日々の生活に彩りを加える、ちょっとした所作みたいなもの。いつもの通り道、夕刻に染まる空、カフェラテの泡模様、彼女や彼のしぐさ。心が動いたふとした瞬間に、私たちはシャッターを押します。

「life with camera、写真はあそび」。 そう言葉にすると、気持ちが軽くなります。私たちが生きるためには、ご飯を食べないといけない。ただ、誰かと食べるとおいしい。楽しい。毎日の生活を、これからの人生を、豊かにしてくれる。それは、写真も同じかもしれない。写真を通し、誰かと話すと楽しい。自分らしい写真を撮って伝えられると、うれしい。さまざまな人が集まる、にぎやかな食卓のような場をめざして。
和田 剛 │フォトグラファー
TSUYOSHI WADA

(株)ADK退社後、独立。広告を中心にさまざまな撮影を手がける。2011年の東日本大震災を機に、写真ワークショップ、教室やセミナーを行い、活動の幅を広げる。個展、グループ展多数。主な個展に「motherland」@flag gallery、「おれとキューバ」@エプサイト、「新緑」＠ニコンサロン仙台。「カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話」連載中。「good ! stuido」主宰。