墓じまいの目的と概要

墓じまいは、使用されなくなった墓地を解体し、遺骨を新たな場所へ移転することを指します。これは通常、墓地の維持管理が困難になったり後継者が不在であるなど、継続が難しい場合に行われます。墓じまいによって無縁仏となることを防ぎ、供養することを目的とすることが一般的です。



 

なぜ墓じまいが必要なのか

墓じまいが必要とされる主な理由は、お墓の手入れ・維持が難しい場合に行われます。現代の日本では、高齢化が進み、単身または高齢の夫婦のみの世帯が増えているため、墓地の維持を担う家族が減少しています。
墓じまいをすることを後ろめたく思う方も多いかもしれませんが、消して気に病むことはありません。家族のあり方が構造的に変わった現代において、しっかりと墓じまいをすること自体はとても自然な営みです。

費用を左右する要因

墓じまいの費用は、地域や宗派などによって異なりますが概ね10万円〜200万円となることが多いです。

「墓石を取り除いて更地にする」という基本的な撤去・更地化だけであれば、費用は安くて10万円、高くても30万円程度です。

ただし、檀家制度の名残から離断料という形で高額な請求をするお寺もあり、その場合は200万円ほど支払うことも珍しくありません。
そもそも檀家制度とは、明治時代前に出生届を寺にしていた時代に、寺の名簿に生まれた人の名前を記すところから来ています。それが今の檀家制度になっているのですが、その名簿から名前を削除するために高額な請求をする古いお寺が現代もあるのは事実です。
離檀料は支払い義務はないものの、やむなく支払う方も多いようです。よく考えて検討しましょう。

また、墓じまいの費用は墓地の規模、場所、選択される新たな埋葬方法によって総額は異なります。
例えば、都市部の墓地の解体と郊外への遺骨の移転は、輸送コストが加わるため、費用が高くなることがあります。
また、永代供養となれば、住んでいる場所によってその費用は大きく異なります。樹木葬や海洋散骨などの特殊な埋葬方法を選択した場合、費用は安価に抑えられる傾向がありますが、追加費用が発生することもありますので希望する場所に資料を請求したり、電話をするなどして費用を把握しましょう。




 

各自治体の補助金情報

墓じまいに関しては、自治体によって補助金や助成金が設けられている場合があります。これらの補助は、費用の一部をカバーすることで、遺族の負担を軽減します。補助金の詳細については、居住地の市町村役場や公式ウェブサイトで情報を得ることができますので、チェックするようにしましょう。
 

費用を抑えるためのポイント

墓じまいの費用を抑えるためには、まずは墓石を購入した墓石業者さんに連絡をするのが良いでしょう。
もしお寺経由で依頼をしているのであれば、お寺に相談することになります。墓石を売る業者にも商圏（なわばり）があるため難しいかもしれませんが、複数の業者から見積もりを取ることが効果的です。
また、不必要なサービスを提案されることもありますが、目的に沿って必要最小限のプランを選択することで、全体のコストを抑制することが可能です。さらに、補助金の利用や税制優遇の適用についても調査し、利用することが賢明でしょう。
 

事前に準備すべきこと

墓じまいを行う前に必要な準備は、墓地の権利関係の確認と所属宗教団体や墓地管理者との事前相談があります。
また、このプロセスには家族や親族の同意を得ることが不可欠であり、全員が納得する形で計画を進めることが重要です。これにより、後のトラブルを避けることができます。
 

墓じまいの流れ

墓じまいの具体的な流れは、まず墓地を解体し遺骨を取り出します。次に、遺骨は新たな埋葬地へ移送されるか、必要に応じて散骨または樹木葬などの方法で処理されることもあります。最近では永代供養を選択される家庭も増えています。
 

必要な書類と役所での手続き

墓じまいには、改葬許可の申請や墓地使用権の解除など、様々な公的書類が必要です。これらの書類は、関連する役所や宗教団体へ提出され、手続きが正式に行われる必要があります。書類の準備や手続きの流れについては、事前に詳しく調査し、スムーズに進行できるように計画を立てることが重要です。
 

遺骨の扱いと合法的な改葬方法

遺骨の扱いについては、法律に基づく厳格な規制が存在します。改葬の際には、適切な許可を得た上で、故人の遺志や遺族の意向に沿った方法を選択することが大切です。合法的な方法としては、一般的な埋葬、樹木葬、海洋散骨などがあり、それぞれの方法には適切な手続きと条件が伴います。