体調の悪いペットを抱えて動物病院へ行くことは、飼い主様にとってもペットにとっても大変な事です。
ご家庭の事情によっては病院への交通手段がなかったり、小さなお子様がいて家を空けらないなどの理由からペットを病院へ連れて行くのが遅くなってしまうようなこともあるでしょう。
獣医師がご自宅へ診療に伺うことで飼い主様とペットのストレスを少しでも減らせたらとの思いから、往診専門動物病院として『虹の橋どうぶつ病院』を開業いたしました。
往診により獣医療を受けるハードルが下がれば、歳をとって歩けなくなってしまった大型犬や、家から出ることでストレスを感じてしまう猫ちゃんたちも安心して健康診断や治療を受けられるようになります。また、普段の飼育環境の中で診察を行うことで、動物病院ではなかなか見せてくれないその子本来の状態をより詳しく観察する事が可能となります。
当然ながら往診で出来る事には限りがありますが、わんちゃん猫ちゃんの体をすみずみまで丁寧に観察し、飼い主様からじっくりお話を伺うことでたくさんの事が分かってきますし、一次診療で必要な検査機器はほとんど取り揃えております。もし高度な検査や手術が必要な際には、かかりつけ医や近隣の動物病院へ責任をもってご紹介させていただきます。
このような往診の特性やメリットを生かしながら、ペットと飼い主様のニーズに可能な限りお応えできるよう寄り添った診療を目指しております。また、ワクチンや健康診断、しつけ等のご相談もご自宅でゆっくりお伺いいたします。大切な小さな家族にとって必要なことは何か、どんな治療がベストか一緒に考えていきましょう。
些細な事でもお気軽にご相談ください。
虹の橋どうぶつ病院を開院して、お陰様で無事に6年目を迎えました。
近年では動物医療の発展に伴いペットも高齢化しています。高度医療が受けられるようになった反面、長期的に自宅で看護しなければならない子も増えています。
日々変わっていく体調に合わせていくため、自宅看護は試行錯誤の繰り返しになります。その子にとってどんなケアが最良か?できるだけ負担の少ない方法をおうちの方と一緒に考えていければと思っています。往診では待ち時間がないだけでなく、周りを気にせずゆっくり相談できるのもメリットです。診察室ではなかなか聞けない細かいことまで安心してお話ししていただけます。
猫ちゃんの場合は、病院が苦手で(キャリーに入れるのも難しくて)久しく病院に行けず健診のために往診を依頼した、という子も多いです。これは勤務医として病院にいたときには全く知り得なかったことです(そもそも来院されませんので、、、)。病院に行かなくてもすむよう、予防医療の観点からアドバイスし健康維持に貢献できればと考えています。
往診を依頼される方のさまざまな事情、自宅看護の現状、それに伴う苦労や悩みもまたそれぞれ違っており、私自身いつも学ぶことばかりです。
ペットにとって一番の幸せは大好きな飼い主さんの側にいて寄り添うこと。大好きな飼い主さんと平和な日常を過ごすこと。動物病院の枠を超えて幸せなペットライフのお手伝いができるよう、今後も邁進していきます。
【ひとりごと】
早いもので開業し丸5年が経ちました。ひとりで全部やっていくのは大変な事ですが、訪問診療にとてもやりがいを感じています。訪問型という患者さんご家族との距離が近い診療スタイルだからこそ、わんちゃん猫ちゃんを中心に、飼い主さん自身のことやご家族のことも含めていろんなお話をしてくださり、より気持ちのこもった診察ができるのだと感じています。いつも応援してくださる方、感謝のお手紙を下さった方、本当にありがとうございます。
診察は、わんちゃん猫ちゃんの体を診ることも勿論なのですが、飼い主さんの悩みや辛さ不安といった気持ちを聞き受け止めながら治療やアドバイスをしています。やはり自分の心や体も元気でないと、飼い主さんの不安や恐怖(たまに怒りも)の感情を受け止めきれないこともありますので、なるべく無理はしないようにしています。愛犬や愛猫が大変な時にも私のことを気にかけてくださる方も多く、いつも優しさに力をもらっています。ありがとうございます。
最近は、ペットの高齢化や介護問題についてよく考えます。人とペットが共に健康長寿を目指せる社会を実現したい、そのためにまず何ができるか?まずは往診獣医師協会の活動を通じ、動物看護師やペットシッター、トリマーなどさまざまな業種の方たちと協業できるシステムの構築に向けて、、、まだまだ手探り状態ですが。さらに忙しくなる予感です。(2025.9.1追記)