「選択肢を○個選んでください」という選択数が指定された質問と「好きなだけ選択肢を選んでください」という任意に選択回答してもらう質問
この対極的な質問方法で表出する回答結果の違いを見てみましょう。
例えば複数のスポーツを並べて、この中で好きなスポーツを「3つ」選んでください、と聞かれたとします。
Q.次のうち、好きなスポーツを3つ選んでください。
A.サッカー、野球、バスケットボール、バレーボール、水泳、マラソン、自転車、ロッククライミング、登山、、、、
あるいは
Q.好きな音楽のジャンルを3つ選んでください。
ハウス、トランス、ロック、パンク、ポップ、クラッシック、ジャズ、テクノ、レゲエ、、、
いかがでしょうか?
選択肢が3つということで、3つ以上該当する選択肢がある人は上位3つを答えるのではないでしょうか?
あるいは該当が3つに満たない場合、”興味がある”程度のものを選択回答に加えたのではないでしょうか?
このように「○個選んでください」という回答個数指定が必須条件であれば、当然過不足については回答者が独自に”調整”することになります。
集計結果は各回答者が各自回答を”調整”した上でのサンプルであるという前提をもってみなければなりません。
「○個選んでください」とすれば、確実に目標の回答サンプル数が集まります。
最低限これだけの回答数が欲しいんだという前提がある場合にはこの質問方法は便利です。
一方「好きなだけ選べ」の方が、より回答者の本音に近い意見が引き出せるのかもしれません。
「好きなだけ」と質問した場合は、回答者は回答に手心、調整を加える必要が無いのですから。
アンケート作成時には選択肢の構成だけでなく、このように回答方法にも十分に配慮をする必要があります。
もちろん前述したように、どちらの方がアンケートの質問方法として正しいというものではありません。
どのように回答を集めたいかを意識して回答方法を決める必要があるということが大事です。