作成したアンケートで集まった回答結果を、みなさんはこれまで世間の平均的な結果として扱ってきたのではないでしょうか?
しかしそのアンケート結果は実はアンケートに回答してくれた人々の平均の回答でしかないのです。
つまりアンケート調査対象者(アンケートに答えてくれた人々)の統計結果でしかありません。
これを標本平均といいます。
本当はアンケートを作成・実施して我々が知りたいのはその対象とする人々全体の平均的な意見です。
例えば成人のスマートフォンシェアを調査したかったら、本来は日本全国の成人にアンケートに回答してもらう必要があります。
このアンケート調査がもし仮に実施出来たとして、それで得られる結果を「母平均」といいます。
しかし実際には母平均を得ることは不可能に近いことが多いでしょう。
先ほどの例で言えば、日本全国の成人にアンケートを実施することなど不可能です。
本当に知りたい母平均は、標本平均から推定するしかないのです。
私たちは母平均と標本平均の違いを普段意識していません。
母平均(本当に知りたかった本来の全調査対象者の平均)の存在など認識せずに標本平均(実際にアンケートに答えてくれた人々の平均)をそのまま母平均として使っていることが多いのです。
標本平均をそのまま母平均として使うことを点推定といいます。
私たちはアンケートを作成・実施する際に、その結果はあくまで標本平均であることを認識しなければなりません。そしてそのアンケート結果を分析することはあくまでも点推定であることも意識しなければなりません。
母平均と標本平均が大きく異なってしまっていたらアンケート結果をいくら綿密に分析しても問題があります。
実際に調査をしたかった人々と、実際に調査した人々との属性分布の誤差がどの程度あるのか、それを意識しながらアンケート結果は分析する必要があります。
この誤差が標本誤差といいます。