アンケートの作成時、とくに質問の作成時には、質問項目が曖昧ではいけません。
質問文の構成要素は出来る限り具体性を持たなければなりません。
質問の構成要素が曖昧だと、回答者が質問された事を推定しながら回答することになり、集まった回答群は正しいものからほど遠くなってしまいます。
例えば健康について調査をしたいとアンケートを実施したとします。
あなたは食生活に気を使っていますか?
これでは回答者の価値観によって回答基準が変わってしまいます。
食生活に気を使っているという定義が人によってだいぶ異なると考えられるからです。
例えば野菜を多めに獲るとこを「食生活に気を使っている」と捉える人、一方では食材の産地にまで気を配ってこそ「食生活に気を使っている」と定義づけられるという人。
個々の定義によって回答されてしまったら「食生活に気を使っている」と答えた人々の割合はまた意味の違ったものになります。
「食生活に気を使っている人々」が解るのではなく「食生活に気を使っていると自認する人々」が解ったということになるのです。
アンケート作成側が調査したいことを明確にすると、自ずと質問もより具体性を持った文章にすることが出来ます。
「あなたは食事量に制限を設けていますか?」
「あなたは3食必ず取っていますか?」
「あなたは1回の食事にどのくらいの時間をかけていますか?」
「あなたは夕食に平均どれくらいの品目の食事をしていますか?」
質問をこのように具体的にすると回答者の回答基準も一定に近くなり、目的の回答をより正確に収集出来るようになるでしょう。
具体的な質問文でアンケートを作成することが、目的の統計情報を獲得するのには欠かせないということを再確認してアンケートを作りましょう。