SelectTypeの回数券・チケット機能を利用する店舗様・事業者様(以下、敬称略)は、資金決済法(資金決済に関する法律)によって、「前払式支払手段」の発行者としての規制を受けることがあります。
資金決済法の規制に関してどのような対応を行うかは、店舗・事業者においてご判断いただく必要があります。
次の記載をよくお読みいただき、どのような方針を採用されるかを十分にご検討ください。
「前払式支払手段」とは、お客様から対価の前払いを受けて発行され、店舗・事業者が提供する商品の購入やサービスの提供の対価として利用できる商品券、チケット、電子マネーなどのことです。
無償で発行するポイントや来店スタンプは、お客さまからの対価の前払いを受けて発行されるものではありませんので、「前払式支払手段」に当たりません。
もっとも、SelectTypeで購入いただく回数券・チケットは、SelectTypeの決済機能を利用して料金の前払いを受けることになりますので、原則として「前払式支払手段」に当たります。
「前払式支払手段」を発行する店舗・事業者については、後に説明するように、資金決済法により財務局への届出、供託などの規制が課されます。
もっとも、小規模な店舗・事業者であれば、法規制に対して適切に対応するための体制を整えることが現実的には難しいかもしれません。
そこで、資金決済法の規制を受けないようにするための対応方法を先にご紹介します。
(1). 有効期間を6か月未満とする
最も簡単な対応方法は、回数券・チケットの有効期間を6か月未満とすることです。
資金決済法では、6か月より短い有効期間の前払式支払手段が法規制の適用除外とされています。そのため、店舗・事業者において回数券・チケットの有効期間を6か月以内に設定すれば、規制の適用を受けないようにすることができます。
SelectTypeの回数券・チケット機能では、有効期限を設定することができますので、この機能を活用してください。 例えば、2023年4月1日に発行される回数券・チケットであれば、9月30日が有効期限となるように設定を行うことになります。
(2). 未使用残高が1000万円を超えないようにする
有効期間を6か月以上とする場合も、未使用残高が基準日の時点で1000万円を超えないように管理すれば、規制の適用を受けないようにすることができます。
資金決済法では、毎年の基準日(毎年3月31日と9月30日の年2回)のいずれかに未使用残高が1000万円を超えた場合に、自家型前払式支払手段発行者としての規制を及ぼすこととしています。逆に言えば、これらの基準日前に未使用残高が1000万円を超えそうになった場合は、新規の回数券・チケットの販売を停止するなどして未使用残高が1000万円を超えないようにコントロールすれば、規制を受けることなく回数券・チケットの販売を継続することができます。
次に、基準日(毎年3月31日と9月30日の年2回)のいずれかに未使用残高が1000万円を超えた店舗・事業者に適用される規制の内容について説明します。
(1). 自家型前払式支払手段発行者としての届出、報告
店舗・事業者は、未使用残高が1000万円を超えた基準日の翌日から2か月以内に、自家型発行者としての届出を行わなければなりません。
届出は、所定の届出書の書式に必要事項を記載し、添付資料を添えて、主たる営業所または事務所の所在地を管轄する財務局に提出する方法で行うことになります。
その後の基準日においても、基準日の翌日から2か月以内に、未使用残高などを記載した「前払式支払手段の発行に関する報告書」を提出しなければなりません。
また、提出済みの届出書の記載事項に変更が生じた場合は、遅滞なく変更届出書を提出することが求められています。
(2). 発行保証金の供託
未使用残高が1000万円を超えた基準日の翌日から2か月以内に、未使用残高の50%以上の額に相当する金銭を、主たる営業所の最寄りの供託所に発行保証金として供託しなければなりません。
通常は、現金を法務局に持参して供託することになります。
供託が求められる金額(要供託額)は、基準日ごとに計算されますので、その後の基準日に未使用残高が増加した場合は、新しい未使用残高を基準に要供託額を再計算し、差額を追加で供託する必要が生じます。
(3). 帳簿書類の作成
発行額、回収額、基準日未使用残高などの情報については、法定の帳簿書類により適切に管理し、保存しなければなりません。
(4). その他利用者保護のための措置
以上のほか、前払式支払手段に関する情報提供、利用者情報の安全管理措置、苦情処理に関する措置などを講じる必要があります。
また、発行した回数券の払戻しは、原則として禁止されることになります。
他方、サービスの終了などにより、チケット・回数券の発行業務を廃止する場合には、財務局への報告書の提出、利用者向けの周知・公告など、資金決済法のルールに従った払戻手続を行う必要があります。
以上の説明では、回数券・チケットの発行者である店舗・事業者でのみ回数券・チケットが使用できること(回数券・チケットが「自家型前払式支払手段」であること)を前提としています。
これとは異なり、回数券・チケットの発行者以外の店舗・事業者でも使用できる回数券・チケットを発行する場合は、事前に財務局に登録申請を行い、第三者型前払式支払手段を発行する第三者型発行者としての登録を受けることが必要となります。
自家型前払式支払手段の発行とは異なり、事後に届出を出せばよいというものではなく、店舗・事業者の社内体制、使用可能な店舗の審査(加盟店審査)を行う体制などが整っているかどうかや、一定額以上の純資産を備えているかどうかが財務局により事前確認されますので、より丁寧な対応が求められます。
以上の解説は、2023年3月1日に施行されている資金決済法などの法令等をもとに作成したものです。最新の情報については、店舗・事業者様において弁護士などの専門家に個別にお問い合わせください。
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